ご本人、家族、支援者が共に医療選択を支える土台として
認知症ご本人の意思や希望に基づいた意思決定支援を進める上で大切なポイントについて、立場ごとに整理した実践的なガイドです。個々の実践に役立つ知識としての活用に留まらず、日々の診療場面や多職種が集う場で「在宅と病院」の垣根を越えた対話の土台としても活用できるものです。
本ガイドの作成は、認知症専門医の日々の診療風景から出発しています。そこには、認知症ご本人がある日から認知症以外の医療行為を必要とするようになった時、苦悩されるご本人、支援者の姿がありました。認知症の人の意思や希望をどのように医療選択に反映させていくか。同意能力が低下したとしても、本人・家族が安心して治療を受けられる、そして医療従事者も安心して医療行為を行えるために、何が必要か。ご本人・家族・支援者が共に考え、話し合うためのツールとして、作成されました。
心構えや考えておくべきこと、同意能力の程度に応じて気持ちを読み取る工夫など、共通することから専門的なことまで、立場ごとに幅広くまとめられています。また、在宅と病院の連携を進める上で、「私(認知症ご本人)の思い」「受診前のチェックリスト」等、地域の側からも確認、共有しておくとよい情報の記載欄も設けられています。
参考:
「認知症の人の医療選択と意思決定支援」(成本他、2016/クリエイツかもがわ)
「リーガルサポート vol.7 特集 医療行為の同意を考える!」(Legal Support Press, 2014)... 本人の意思決定支援と代行決定のプロセスの透明化に関するフローチャートが紹介されています