いつまでも元気に「歩きたくなる」まちづくり

共創されたポイント※ 更新:2017年5月17日

誰もが楽しく歩いて暮らす!「歩く」をテーマにした歩行圏コミュニティ

富山県富山市にて、公民学産の協働による「富山大学歩行圏コミュニティ研究会 (ホコケン)」が、 歩いて暮らしたくなるまちの共創を目指して、様々な取り組みを展開しています。多少足が弱くなった高齢者を支える「歩行補助車(歩行支援ツール)」の開発から、まちなかに出かけたくなる仕掛け(イベント)まで。住民、行政、民間団体、研究者が対等な立場で関わり、モノ・サービスづくりとまちづくりが重なりながら展開されています。
歩行支援ツールの助けを多少借りながらでも自分で歩いて、住み慣れた地域で暮らし続ける。そんな風景を共有しながら、着実に歩みを進めています。

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歩行圏コミュニティ

歩行圏コミュニティとは「元気な高齢者はもちろん、少し足腰が弱くなった高齢者も積極的に街に出て交流を楽しみ、健康を維持することができる生活圏」を指します。技術の力を借りながら歩行圏コミュニティを創出することで、これまで外に出てこなかった人のお出かけを支え、延いては人のつながりや経済活動等、まちなかの活性化にもつながります。


歩行圏コミュニティ研究会(ホコケン)の理念

対象を限定することなく、誰もが「歩きたくなる」まちを目指して、公民学産が対等の立場で協働し、創造力を駆使しながら粘り強く現場の課題に取り組んでいます (アクションリサーチ)。


ホコケンの取り組み

発起人の富山大学を中心に、歩行補助車の開発や後述のサービスづくり、さまざまなお出かけ支援のイベントを展開しています。 企業や商店街との協働も積極的に取り組んでいます。


歩行圏コミュニティづくりのきっかけ

富山大学の中で、工学部・芸術文化学部・人間発達科学部・医学部看護学科・地域連携推進機構産学連携部門と、学部を横断した「自立支援器具研究会」が平成19年から活動を開始。少し足腰が弱くなって外出を控えてしまう高齢者の生きる力を尊重したい。そんな思いを育みながら、工学技術を生かしつつも、技術に頼りすぎない「歩行補助車」の開発に着手。この歩行補助車が地域に溶け込む風景を創りたい。その思いを持って、コミュニティへと飛び出しました。


ホコケンを通して共創された成果

みんなが町を歩く姿が地域に溶け込むような都市文化づくりを目指し、ホコケンは、ソフト・ハードの両面から活動を進めています。そのシンボルとして、技術や人間工学、デザイン性の観点から、使いたいと思える歩行補助車が開発され、製品化されました。また、公共交通を核としたコンパクトなまちづくり (コンパクトシティ)を標榜する富山市において、貸出用の公共ステーションが事業化されています。そして、何より、ホコケンメンバーが自らの言葉で同じ歩行圏コミュニティを語れるだけのビジョンの共有とつながり。これこそ、取り組みの継続性、メンバーの意欲・QOLの向上につながっていると言えます。